※本記事の内容は、2024年11月時点の情報に基づいて作成されています。最新情報については、担当の官公庁ウェブサイト等にてご確認をください。
日本と海外では、たばこに対する考え方や法律などが大きく異なります。台湾では紙巻たばこや葉巻たばこは認められていますが、入国時に電子たばこや加熱式たばこを持ち込むと、税関により没収・廃棄、もしくは返送されてしまいます。本記事では、人気の旅行先におけるたばこ事情や注意点、法に触れないオーラルたばこについて解説します。
2023年2月に「煙害防制法(たばこ危害防止法)」が改正され、同年3月22日に施行されました。これにより、台湾では電子たばこの喫煙や製造、販売、輸入、広告などが全面的に禁制されているため、国内への持ち込みは認められていません。
この法改正により、電子たばこだけではなく、加熱式たばこも同様に持ち込みが禁制されました。機内への持ち込みはもちろん、スーツケースなどに入れて預けることも厳禁です。
電子・加熱式のたばこを携帯している場合は、原則として税関への申告が必須です。携帯していることを隠した場合、ペナルティが科されるおそれがあります。無申告のまま手荷物検査を受け、電子・加熱式のたばこが発見された場合は、煙害防制法などに則って、厳しいペナルティが適用されます。
発見された電子・加熱式のたばこは、税関により没収か廃棄、もしくは返送の扱いとなることを覚えておきましょう。
電子たばこを持ち込んだ場合に科されるペナルティは罰金です。気になる罰金額は5万~500万台湾元、これは日本円に換算すると約23万~2,300万円、と非常に高額です。
また、喫煙した場合にも、最高1万台湾元(日本円で約4万7,000円)もの罰金が科されます。現地の人だけではなく、外国人も対象となるため注意しましょう。
「人の少ないエリアで、こっそり喫煙すればバレないのでは」と考えることは危険です。台北市や台南市など、一部のエリアでは違反者を通報することで、報奨金を得られる仕組みが運用されています。外国人の違反者を通報するには、その外国人の情報(名前やパスポートナンバーなど)や喫煙時の写真・動画が必要ですが、通報されやすい環境にあると言えます。
台湾で禁制されているのは電子・加熱式のたばこであり、従来の紙巻たばこや刻みたばこ、葉巻たばこなどの持ち込みや喫煙は認められています。ただし、屋内外を問わず、幼稚園や大学、ホテル、ショッピングモールなど、公共の場での喫煙は禁制されています。
バーやナイトクラブも、仕切りがある喫煙室以外では禁煙です。ホテルの客室も全面禁煙なので、専用の喫煙室や屋外の喫煙スペースを利用しなければなりません。他に、街中でのたばこのポイ捨てや歩きたばこなどもペナルティの対象です。
海外旅行で電子たばこを荷物に入れたものの、持ち込めなかった旅行者が増加しています。場合によっては、その場で没収・廃棄されるおそれがあるため、旅行の計画を立てる時点で必ず確認しておきましょう。
以下より、人気の旅行先における、電子たばこの持ち込み可否を一覧にしました。
【持ち込み可能】
・韓国
・グアム
・ハワイ
・バリ島
・フランス など
【持ち込み禁止】
・台湾
・タイ
・シンガポール
・フィリピン など
※フィリピンでは、加熱式たばこは認められているが、リキッドタイプ(VAPE)は厳禁(2024年4月現在)
台湾と同様、電子・加熱式のたばこの持ち込みが認められていません。紙巻たばこは、200本(1カートン)まで持ち込みが可能です。タイでは、たばこの持ち込みに対する取り締まりを厳しく強化しており、数量を超過すると、罰金が科されるおそれがあります。
タイでは、2014年12月27日に「電子たばこ禁止条例」が発令されています。電子・加熱式のたばこを携帯しているだけでも違法となり、ペナルティとして最高10年の懲役、または50万バーツ(日本円で約210万円)の罰金が科されます。
タイには、日本以上に禁煙場所が数多く存在しており、紙巻たばこや葉巻たばこを喫煙する場合は注意しなければなりません。例えば、冷房設備のある飲食店や学校、病院、ショッピングモールなどの公共施設や公共交通機関のほか、サムイ島やプーケットなどの主要ビーチも禁煙です。
基本的に、室内はどこでも全面禁煙と考えてよいでしょう。喫煙したい場合は、屋外に設けられた喫煙スペースを利用すべきです。なお、禁煙場所での喫煙は5,000バーツ(日本円で約2万1,000円)の罰金、たばこのポイ捨ては2,000バーツ(日本円で約8,400円)の罰金、主要ビーチでの喫煙は、最大で1年の懲役または10万バーツ(日本円で約41万9,000円)の罰金が科せられます。
シンガポールでの電子たばこの輸入や販売、携帯は違法です。空港の中の入国前・出国後の区域も、国内と見なされるため、手荷物検査で携帯が発覚すると、罰金が科されます。
シンガポールでは「関税法」が厳格に運用されており、たばこの持ち込みは1本から課税が必須です。たばこを携帯したまま、グリーン・チャンネル(簡易検査ライン)に進むと違法となり、手荷物検査で携帯が発覚するケースが後を絶ちません。なお、個人使用を目的としてたばこを持ち込む場合、数量は400g(2カートン)までに制限されています。
そもそも、日本からシンガポールへ、たばこを持ち込むことは現実的ではありません。「たばこ法」の運用により、2022年7月以降は、下記の基準を満たした「持ち込み禁止除外対象」のたばこのみ認められています。
・パッケージに、商号などのロゴや組織名などのブランドマークがないもの
・パッケージに、健康障害を忠告する図や写真があるもの
・パッケージの色は、ドラブ(灰みの黄褐色)または(ダーク)ブラウンのみ
日本で売られているたばこは、上記の基準を満たしていないため、紙巻たばこであっても持ち込めません。
加熱式たばこは持ち込みが認められていますが、リキッドタイプの電子たばこは違反です。持ち込んだ場合は没収されるおそれがあるため、誤って持ち込まないようにしましょう。
喫煙場所の制限も進んでおり、公共の場での喫煙は認められていません。ホテルの客室やバルコニーなども禁煙になっているところが多く、「禁煙法」に違反すると最大1万ペソ(日本円で約2万7,000円)の罰金が科せられます。
海外でも気兼ねなくたばこを楽しみたいと考えている方は、オーラルたばこを選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。台湾やシンガポールなど、海外への持ち込みが可能で、手軽にたばこを楽しめます。
無煙たばこの一種で、元々スウェーデンで誕生しまた。「パウチ」または「ポーション」と呼ばれる小さな袋を、唇の裏にセットするだけでニコチンを摂取できる、新感覚のたばことして注目を集めています。
火や電力を必要とせず、このオーラルたばこさえあれば、いつでもたばこの風味や香りを味わえる点が特徴です。さらに、一度セットすると約30分間保てるため、長時間のフライトによるストレスも解消します。
新幹線や飛行機の中など、喫煙が禁制されている場所でも問題なく使用できる上、見た目だけでは、喫煙していることもほぼ分かりません。
また、煙が出ないことから、受動喫煙のリスクも軽減するほか、独特の匂いでまわりに迷惑をかけることもなく、多くのメリットがあるたばこです。
オーラルたばこの魅力は、何と言ってもさまざまな風味や香りを味わえる点です。製品の種類が豊富なので、自分好みのたばこを見つけられます。
代表的な種類のひとつがメンソール系です。鼻に抜けるような爽快感を味わえるタイプで、リフレッシュしたい場合に適しています。他にも、ミルクティーやコーヒー、ベリーなど、さまざまな味を楽しめるフレーバー系の製品も数多くリリースされています。
日本では、日常的に喫煙されている電子・加熱式のたばこでも、海外では持ち込んだり携帯したりすると、違法となるケースがあるため、注意が必要です。トラブルを未然に回避すべく、旅行先のたばこに関する法律やルールを、あらかじめ調べた上での渡航をおすすめします。
「飛行機や新幹線の中でもたばこを吸いたい」「海外でもたばこを楽しみたい」と考えている場合は、オーラルたばこも検討してみましょう。